やんばるの森を真の世界遺産に! NGO-UNESCO フォーラムに参加しました!
去る2月14日、15日、22日、23日、ドイツ、ベルリンのNGO, World Heritage Watchの主催する第12回世界遺産国際NGOフォーラム(NGO-UNESCOフォーラム)が開催されました。The Informed Public Projectの代表の河村雅美さんとOkinawa Environmental Justice Projectの代表である私(吉川秀樹)が参加しました。
2月15日には、私が「Hesitant Heritage: Yambaru Forest and the U.S. Military’s Northern Training Area ("ためらう世界遺産:やんばる森と米軍北部訓練場")というタイトルで報告。環境省や米軍が北部訓練場や米軍廃棄物に関する問題に対応をすることを躊躇っている状況を伝えました。そしてこの状況を改善するために、ユネスコとIUCNから環境省と米軍に働きかけるように要請を行いました。報告や要請の内容は、宮城秋乃さん(蝶類研究)、花輪伸一さん(生態学)、河村雅美さん(国際社会学)、吉川秀樹(人類学)、そしてやんばるの森の地元住民や森を支援する人々のこれまでの取り組みを踏まえたものです。
このNGO・UNESCOフォーラムは、市民社会のメンバーが現場の情報をユネスコ世界遺産センターとその諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)、国際記念物遺跡会議(ICOMOS)、国際文化財保存修復センター(ICCROM)に提供する重要な機会となっています。
NGO-UNESCOフォーラムでは、市民社会、ユネスコ、そしてその諮問機関がオープンに問題を議論し、意見や提案を交換する重要な場です。また市民社会のメンバーにとっては、自分たちの取り組みと他の市民社会のメンバーの取り組みを比較し、自分たちの取り組みを大局的に理解し、そしてネットワークを広げていく場でもあります。
一方、NGO-UNESCOフォーラムは、非公開で実施されてきています。なぜなら参加者の中には、情報を提供したことにより不当な対応を受ける可能性がある人々がいるからです。そのような人たちと比べると、沖縄の市民社会は、全体としては、まだ有利な立場にあり、世界遺産やんばるの森が抱える問題について公に問題の提起や提案を行うことができています。
沖縄の市民社会は、そのような有利な立場にあることを理解し、やんばるの森の問題をきちんと公に議論していくことが大切です。そうすることが、不当な対応に晒されることなく、透明性をもって問題を議論できる世界遺産コミュニティーの構築につながると考えます。下に今回フォーラムでの発表資料(英語)を掲載します。(この文はDeep Lの和訳を編集したものです。)