We Stand with Governor Denny:辺野古の中止と普天間の撤去を!

新たに沖縄県知事に就任した玉城デニー氏が、現在、辺野古新基地建設の中止と普天間飛行場の撤去を訴えるために、ニューヨーク、ワシントンDCを訪れています。この機会に、Okinawa Environmental Justice Projectは、以下のWe Stand with Governor Dennyのメッセージを発表しました。よろしければ、メッセージの拡散をお願いします!(メッセージの原文(英語)はこちらから
We Stand with Okinawa Governor Denny Tamaki in Fight against Henoko Base Construction and Fight for Withdrawl of Futenma Base

玉城デニー沖縄県知事と共に
普天間基地の撤去と辺野古新基地建設の中止を求めて!
(原文(英文)の和訳)

Okinawa Environmental Justice Project


米国政府が容認する中、日本政府は、沖縄本島北部の辺野古・大浦湾における新たな基地建設を無謀に押し進めている。両政府にとって、辺野古案こそが、人口の集中する宜野湾市の真ん中にある米海兵隊基地普天間飛行場を移転させる「唯一の選択肢」だとしている。

しかし、辺野古案は、20年に亘り民主主義のあらゆる方法をもって反対を示し続きてきた、沖縄の人々の民意に対する侮辱である。また、262種の絶滅危惧種を含む5,300種の海洋生物が生息する世界でも有数の価値をもつ環境の一つの破壊への後戻りできない道である[i]

この侮辱と破壊を行うために、日本政府は、日本と米国の法や規制をあからさまに曲げ、無視し、日米関係のあるべき姿に悪影響を与えている。そしてその過程で、米軍や米国政府も共犯者になっている。

私たちOkinawa Environmental Justice Projectのメンバーは、玉城デニー沖縄県知事と共に、米国市民と米政府に対して、辺野古案をきちんと再考すること、辺野古新基地建設の阻止と普天間飛行場の閉鎖を掲げる沖縄の決意と民意を尊重することを求める[ii]

埋立て承認の撤回
辺野古新基地建設の不当性は、建設のための埋立て承認をめぐる、沖縄県と日本政府間の争いにおいて、明確に示されている。承認は、201312月に、日本政府の圧力のもと、当時の仲井真弘多沖縄県知事が行った[iii]。そして承認は、3年に亘る沖縄防衛局の工事を可能にしてきた。    

2018831日、沖縄県は、これまでの基地建設工事とその環境への影響を慎重に検証した後、基地建設の状況は、公有水面埋立て法に反すると判断し、埋立て承認を撤回した。撤回は、辺野古基地建設を阻止し、沖縄の人々へ尊厳をもたらすため、その生涯の後半を捧げた、故翁長雄志沖縄県知事の固い意思とその努力が、具現化したものだ[iv]

沖縄県による承認撤回は、沖縄防衛局の環境影響調査が、建設地の脆弱な地盤や、基地周辺の建造物の高さを米軍の規制基準(UFC 3-260-01 Airfield and Heliport Planning and Design)に基づいて適切な調査を行っていないこと、さらには、調査の“環境への悪影響なし”の結論に反して、実際には影響が確認されており、保全措置が効果的ではないこと、などが根拠となっている[v]

しかし、県の撤回に対抗するように、1017日、沖縄防衛局は、行政不服審査法のもと、「私人」としての立場で、国交相の石井啓一氏に承認の執行停止を申立てた。防衛局の申立ては、同法は私人を守るものであり、防衛局は政府機関であり私人ではない、との批判に直ちに晒されることになった[vi]。しかし、国交相は、防衛局のこの不合理な法的議論やその他の議論を受け入れ、1031日に沖縄県の撤回の執行停止を行った[vii]。沖縄防衛局は現在、工事を再開している。

国交相の判断を検証する
沖縄県の撤回の執行停止を決断したことを説明する記者会見において、国交相は、沖縄防衛局が申立てにおいて示した以下の二つの議論を繰り返した。しかし、県と防衛局が論争する具体的かつ技術的問題については言及をしなかった、いや、言及を避けたのだ[viii]

国交省は、普天間飛行場の移設は辺野古案が「唯一の選択」であることを前提に、県の撤回は、普天間基地の危険性の除去を困難にすると主張した。

しかし私たちは訴えたい。普天間基地の危険な状況を70年以上も許してきたのは、沖縄県の撤回や沖縄の人々の辺野古案への反対ではなく、日本政府の無能さと、米政府の無関心さであるということを。日本政府は普天間の危険性や騒音について十分に対応したことはなく、その問題に対応する効果的措置をとったこともない。その結果として、普天間基地は、「世界で最も危険な基地」として、人口の集中する宜野湾市の真ん中に、米軍自らの安全基準や規制に違反しながら存在しているのである[ix]

日本政府が何度も復唱する「辺野古が唯一の選択肢」は、日本本土において実行可能な選択肢が多数存在することを認めようとしない態度を、単に表明したものにすぎない。

また国交省は、沖縄県による撤回は、外交において摩擦を引き起こし、日米同盟に悪影響を及ぼす可能性があると主張した。

しかし私たちは反論したい。外交において摩擦を起こし、日米同盟を傷つけているのは、県の撤回ではなく、日本政府におる辺野古新基地建設の無謀な押し付けであるということを。環境正義の視点から、この問題を明確に示す例がある。それは、辺野古・大浦湾に生息する、絶滅危惧種の海洋哺乳類であり、日本の天然記念物であるジュゴンの危機的状況をめぐり下された、相反する二つの判断である。この二つの判断は、沖縄防衛局の環境アセスや影響への緩和措置に関係している。

まず一つは、201881日に、米国連邦地裁裁判所が下した、国家歴史保存法のもと行われてきた「ジュゴン訴訟」においての国防総省勝訴の判断である。裁判所は「国防総省はジュゴンへの影響を「考慮する」手続きを怠った」とする原告の主張を却下した。そして、1) 国防総省は、基地建設のジュゴンへの影響について、沖縄防衛局の環境アセスやその緩和措置への独自の評価を含む、可能な限りの調査を行った、2) 国防総省のジュゴンへの「影響なし」の結論/予測は妥当であったと、判断した[x]

そしてもう一つは、沖縄県による831日の埋立て承認撤回の判断である。撤回の理由の一部として、防衛局の環境アセスの環境への「影響なし」の結論に反して、ジュゴンの行動への影響が確認されていること、防衛局の緩和措置が効果的であることが示せていないと、沖縄県は判断している。

現在、ジュゴン訴訟は控訴審を迎えており、今後この相反する二つの判断が裁判でどのように評価されるのか、それがどのように日米関係へ影響を与えるのか注視される。


最後に私たちは、国交相が、県と防衛局が論争する具体的かつ技術的問題について言及していないのは(言及を避けたのは)、偶然ではないと主張したい。上記したように、私たちの視点から言えば、撤回についての具体的な議論は、沖縄防衛局が日本と米国の法や規制を犯していることを示すことになる。そして必然的に、米軍と米政府も共犯者であると示されるのだ。

最後に
私たちは、米国市民と米政府に、沖縄は日本全体の0.6%の面積に過ぎないにもかかわらず、日本における米軍の基地や訓練場の70%が沖縄に集中していることを再認識してもらいたい。このような状況において、日米政府の「辺野古が唯一の選択肢」という主張は馬鹿げており、それを構造的差別として認識する沖縄の人々が、その主張を容認できるわけはない。また、この状況においては、沖縄の人々の暮らしや環境に深刻な影響を与えずに、また日本と米国の法や規制に違反することなく、米軍が訓練を行うこと、米軍が存在すること自体、無理なのである。

この現状が、沖縄の人々が辺野古案に反対し、普天間飛行場の沖縄からの撤去を求める理由である。この現状が、沖縄の人々が、翁長雄志氏や玉城デニー氏のような人を知事として選び、社会正義と環境正義を求めて共に闘う理由である。

私たちは、米国市民と米政府に対して、辺野古案をきちんと再考すること、辺野古新基地建設の阻止と普天間飛行場の閉鎖を求める沖縄の決意を尊重することを求める。


連絡先:
吉川秀樹
代表
Okinawa Environmental Justice Project
yhidekiy@gmail.com





[i] 日本生態学会、その他による20141111日の「著しく高い生物多様性を擁する沖縄県大浦湾の環境保全を求める19学会合同要望書」は、以下のサイトに掲載されている. http://www.esj.ne.jp/esj/Activity/2014Ohura.pdf
[ii] 辺野古新基地建設に反対する沖縄を支援するための多くの決議が、米国に拠点を置く、あるいは米国と関係する組織やグループにより採択されてきた.
カルフォルニア州のバークレー市議会の2017年の決議は以下のサイトに掲載されている.
労働組合The Asian Pacific Labor Alliance 2017決議は以下のサイトに掲載されている.
The Veterans For Peace2018の決議は以下のサイトに掲載されている.
[iii] 米国連邦議会調査局の以下の報告書を参照. Emma Chanlett-Avery and Ian E. Rinehart, The U.S. Military Presence in Okinawa and the Futenma Base Controversy, US Congressional Research Service, August 14, 2014
[iv] 沖縄の基地問題と自治を訴えた翁長雄志知事の20159月の国連人権理事会でのスピーチ(英文) “Oral Statement at the United Nations Human Rights Council by the Governor of Okinawa (Takeshi Onaga)”は以下のサイトで掲載されている. http://dc-office.org/post/574
[v] 沖縄県が沖縄防衛局に831日付けで提出した「国有水面埋立て承認取消通知書」は以下のサイトに掲載されている.
[vi] 毎日新聞(英字版)の2018117日の以下の記事を参照. “Gov’t acting like plaintiff, judge over reclamation lacks validity: experts,” The Mainichi, November 7, 2018.
[vii] 20181030日付けで国交相から沖縄防衛局に「執行申立てに対する決定について」の文書が送られた. 
[viii] The Japan Times20181030日の以下の記事を参照. “Minister suspends Okinawa’s move to Futenma base relocation,” The Japan Times, October 30, 2018.
[ix] 普天間基地の危険性と米軍の安全基準の問題については以下の論考を参照.  C. Douglas Lummis “Futenma: ‘The Most Dangerous Base in the World’,” The Diplomat, March 30, 2018.
[x] ジュゴン訴訟における201881日の連邦地裁の判決の内容については、Courthouse News Serviceの以下の記事を参照. Maria Dinzeo, “Judge OKs Okinawa Base, Despite Endangered Dugong,” Courthouse News Service, August 2, 2018.
[xi] 沖縄県が沖縄防衛局に831日付けで提出した「国有水面埋立て承認取消通知書」の中で撤回の理由は詳細に記されている. 通知者は以下のサイトに掲載されている.

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