2022年を振り返って 環境、平和、人権

2022年を振り返って
Okinawa Environmental Justice Projectにとって、2022年は困難な年でしたが、希望を失わず取り組み続け、なんらかの成果をあげることができたと年だったと思います。
 
大きな期待、そしてウクライナ戦争
私たちは大きな期待を持って2022年を迎えました。2022年は、沖縄返還50周年、ユネスコ世界遺産条約50周年という節目の年でした。また、生物多様性条約と気候変動枠組条約が30周年を迎えました。私たちは、これらの歴史的な枠組みを使い、これまでの取り組みを前進させることができると期待していました。

しかし2月に入り、ロシアがウクライナに侵攻し、人命、財産、そして環境の破壊が続くことになりました。平和がいかにもろいものであるか、戦争がいかに始まったら止められないものであるかを思い知らされました。そして沖縄では「中国の脅威」の名のもと軍事化が進行していきました。島々へのミサイル配備が進み、米軍機が爆音を撒き散らしながら毎日のように私たちの上空で訓練をしています。そして辺野古・大浦湾では米軍新基地建設が、やんばるの森では軍事訓練が、環境や人々の暮らしなどどうでもいいかのように続けられました。ウクライナ戦争の影響やアジアでの戦争の暗い予感のなか、私たちの絶滅危惧種、環境、そして世界遺産を守る取り組みは果たして意義があるのかをということを問い続けていました。

沖縄に根ざしたプロジェクト: OEJP
しかし、私たちは、沖縄に根ざしたプロジェクトとしてのOEJPの意義を見つめ、私たちができることに取り組むことで、この一年を乗り切ってきました。私たちは、OEJPが沖縄を拠点とするがゆえ、環境保護、平和、人権がいかに密接に関係しているかということを、他の多くの団体よりも理解できる立場にあることを強く意識するようになりました。私たちOEJPはどんなに小さく微力でも、この関係に何らかの前向きな変化をもたらすための団体になるよう努力する必要がある、と改めて考えました。

そして、この一年を通して、私たちは、平和、人権、環境、そして国内外を問わず、さまざまな団体と対話し、行動することに意識的に取り組んできました。セミナーやウェビナーでプレゼンテーションを行い、ウクライナでの戦争の終結を求める多くの署名や手紙に賛同してきました。また若い世代が主催するウェビナーやセミナーにも参加してきました。

辺野古・大浦湾とやんばるの森
2022年に辺野古新基地建設を止めるためにOEJPが取り組んだ活動の一つに、書簡キャンペーンがあります。辺野古新基地建設を止め、普天間飛行場を閉鎖し、代替案を作成するためのイニシアチブをとるよう、アメリカ連邦議会議員に求めた書簡を送りました。この書簡は、軟弱地盤の問題や基地建設による環境破壊の問題を記述した最も包括的な文書の一つです。この書簡には、100を超える市民団体と、州や自治体レベルで選出された40人以上のアメリカ人議員が賛同してくれました。その結果、上院軍事委員会のジャック・リード委員長が軟弱地盤の問題を検証することを表明した、と沖縄タイムスは報道しています。
 
それからやんばるの森を守るためには、私たちはドイツ、ベルリンを拠点にするNGO, World Heritage Watcと緊密に連携してきました。WHWは、ユネスコ世界自然遺産に隣接する米軍北部訓練場の存在、軍事訓練が野生動物に与える影響、そして世界遺産地内に残る米軍廃棄物についての私たちの懸念をユネスコ世界遺産センターとIUCNに提示する機会を提供してくれました。OEJPは、WHWが主催するユネスコ・NGOフォーラムに参加し、また協力者とともに『World Heritage Watch Report 2022』に寄稿しました。私たちの取り組みは沖縄防衛局を動かす力となり、現在防衛局は世界遺産地の米軍廃棄物の処理を行っています。

来年に向けて、そしてThank You!
OEJPは、これまでの成果を心から祝うまでには、まだまだ長い道のりがあることを理解しています。実際この一年、日本政府は「基地建設による環境への影響はない」として、辺野古・大浦湾の基地建設を推し進めました。また米軍はやんばるの森でジャングルトレーニングや航空機の訓練を続け、一方で軍事訓練がユネスコの世界遺産に与える影響についての報告書を非公開にしています。これらの問題を解決するためには来年も更なる努力が必要です。 OEJPは更なる取り組みを展開していくことを約束します。

最後に、この困難な一年を通して、OEJPに協力し、支援してくださった個人、団体の皆さんに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。Thank You!

Okinawa Environmental Justice Project
代表 吉川秀樹
本文はDeepLの和訳文をもとに作成されています。
本文はこちらから。


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