辺野古新基地建設、 短い滑走路、普天間返還しない、そして軟弱地盤
2026年2月15日、沖縄タイムスの記事で、米国特約記者平安名純代氏が、辺野古新基地の滑走路が短いことを米軍が懸念しており、長い滑走路が確保されない限り、辺野古が完成しても、普天間を使用し続けるとの立場をとっている、と報告した。平安名記者はこの米軍の見解を2025年9月の米政府の「公式文書」で確認している。そのすぐ後、しんぶん赤旗でもこの問題が取り上げられた。
これらの報道と関連しながら、OEJPとしても米政府(国防総省、議会調査局、米会計検査院)の情報の整理、分析を行った。そして4月5日にはOEJP代表の吉川秀樹が、沖縄平和市民連絡会主催の勉強会で報告、また4月17日は東京において「記者レク」という形で在京メディアに報告をした。下に記者レクで使用した資料を貼り付けるので参照していただきたい。
| Earth Day Tokyo 2026 (4月18〜19日)でのジュゴン保護キャンペーンセンターの資料 |
そしてここ数日、「長い滑走路確保は日本政府の責任」とする米国防総省の立場が改めてクローズアップされている。4月25日にはしんぶん赤旗が、4月24日までに公表された米国防総省の2027会計年度予算案の関連資料のなかに、長い滑走路の確保は日本政府の責任、確保できなければ普天間を継続使用するという見解が示されていることを報道。(なおOEJP代表、ジュゴン保護キャンペーンセンター国際担当の吉川秀樹のコメントも掲載。)また26日に沖縄タイムスの平安名記者が同様の内容を報告し、さらに米国連邦議会上院議員が「なぜ(長い滑走路の)選定にこんなに時間がかかるのか」と疑念を呈していることを紹介している。
この状況をどうみるか。OEJPの記者レク資料に関連させながら、私見を述べてみる。
1) まず普通に考えて、米軍や日本政府が長い滑走路を選定していないことはない。
これだけ東アジアでの有事を念頭にWar Gamesシミュレーションをやっている米軍、それに密接に関連している日本が選定していないのはあり得ない。
実際2017年4月までの時点で、米軍は日本政府の協力を得て、長い滑走路確保のために、沖縄県内の飛行場1箇所を含む12箇所を検証している(記者レク資料p.18~20)。ただし日本政府はその12箇所の公表を拒んでいる。
2) ただ選定地を公表すると、地元の反発は必死であり、それを日本政府は恐れていると考えられる。ゆえに公表のタイミングを見計らっているのであろう。
3)しかし、一番の問題は、軟弱地盤により、辺野古が完成するのかどうか、完成してもいつできるのか、そして使いものになるのか、ということだと考える。実際、米軍も連邦議会も軟弱地盤問題に大きな懸念を示してきた(記者レク資料p.21-24)。
4)そうなると、米側からの「長い滑走路の選定は日本政府の責任」という主張は、普天間飛行場の代替施設を辺野古ではなく、他のところを示せ。それができなければ、米軍が普天間を使い続けることができるように対応せよ、という米側からの日本政府へのGAIATSU/外圧だと捉えることもできる。
普天間飛行場の問題を政治的に辺野古で収めようとしたけど、物理的に(環境リアリズム)辺野古では無理だということが、こう形で露呈している。
5) 予想される今後の日本政府の対応。日本政府に一番都合のいいシナリオは、辺野古容認の立場の人を県内の選挙で当選させ続け、完成しない辺野古を横目に、那覇空港を緊急時の長い滑走路だと容認させ、普天間をずっと米軍に使ってもらうということ。そうすれば政府の面目は潰れない。(そのためにはいくら税金を無駄遣いしても構わないということだろう。)
「辺野古容認」と「普天間飛行場の一日も早い閉鎖・返還と速やかな運用停止」の要求が相反することをまず沖縄県民が理解しないといけない。このことを米政府は明らかに理解しているし、日本政府も理解しているはずだから。
OEJP代表
吉川秀樹