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「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界遺産地域包括的管理計画(改定案)」へ意見書を提出

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2025年5月26日、OEJPは環境省が作成した「 奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界遺産地域包括的管理計画(改定案) 」へ意見書を提出した。(提出者名はOEJPの代表、吉川秀樹となっている。) 奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産の環境省HP 同管理計画は、2017年1月の第1回目の世界遺産登録挑戦際に策定された(策定は2016年12月)。その後、2019年1月の挑戦2回目の際に 最初の改定 がなされていた(改定は2018年12月)。今回は世界遺産登録後の初の改定となり、その内容は市民や自治体はもちろん、ユネスコやIUCNからも注目されている。 OEJPは、世界遺産登録申請手続きの段階から、世界遺産候補地やんばるの森(正式には沖縄島北部)に隣接する北部訓練場と軍事訓練、そして世界遺産に組み込まれた北部訓練場跡地に残る米軍廃棄物の問題を取り上げ、日本政府はもちろん、ユネスコとIUCNにも対応を求めてきた。今回の包括的管理計画(改定案)への意見もその観点から意見となった。 OEJPの今回の意見書では、今回の包括的管理計画(改定案)で、北部訓練場についての記述や米軍との協力について記述内容が増えたことに一定の評価を示した。 しかし、北部訓練場で行われる訓練が世界自然遺産やんばるの森の「顕著な普遍的価値」に与える影響や世界遺産登録地に残る多量な米軍廃棄物に全く言及していないことを問題視し、このような管理計画ではやんばるの森の「顕著な普遍的価値」を保全できないと指摘した。そして、軍事訓練による環境への影響のモニタリングや米軍廃棄物撤去の中長期的計画の策定など、 具体的な対応策を提案した。 環境省がOEJPの意見や、その他の個人、団体から出された意見を真摯に受け止め、世界遺産地域包括的管理計画の改定に反映させることを切望する。 OEJPは、今回の意見書を情報資料としてユネスコとIUCNに提出する予定である。 OEJP意見書 (提出者名はOEJPの代表、吉川秀樹となっている)

OEJPと沖縄国際人権法研究会:「軍事活動と有害物質」の報告書を国連に提出

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 2025年4月1日、Okinawa Environmental Justice Projectと 沖縄国際人権法研究会 は共同で報告書「沖縄における米軍の中部訓練場と北部訓練場:軍事活動と有害物質」を、有害物質と人権に関する国連人権理事会の特別報告者であるマルコス・A・オレリャーナ博士に提出しました。宜野湾ちゅら水会も沖縄国際人権法研究会と共同でPFAS問題に関する2つの報告書を提出しています。今回の提出は、特別報告者の「軍事活動と有害物質に関する意見の呼びかけ」に応えたものです。 報告書提出の共同記者会見(4月16日) Image Source: OTV 世界中で戦争と平和の危機が深刻化する中、沖縄から、戦争と軍事化に反対し、人権と環境の保護、そして平和を訴える確固たる声をあげることが、これまで以上に必要とされています。今回、国連人権理事会に継続的に働きかけてきた沖縄国際人権法研究会と宜野湾ちゅら水会と協力できたことを嬉しく思います。 私たちの報告書は、主に沖縄県庁と米軍の文書・資料を基に作成されました。  「結論」のセクションでは、次のように記しました:  沖縄の住民とその環境は、米軍の活動から有害物質に曝露されていることは疑いはない。しかし、沖縄の住民は米軍が保有する情報へのアクセスが制限されているため、その暴露の性質や程度についてほとんど知らない… 健康で安全かつ持続可能な環境への権利を保障するため、沖縄の住民は軍事活動とその有害な影響に関する日本語での情報にアクセスする権利を有する必要がある。そのような情報を求める努力は、妨げられたり脅かされたりしてはならない。 注: 今回の報告書では、「沖縄島の建物と構造物の80%が破壊され、環境は壊滅的な被害を受けた」と記載しました。この80%という数値は、インターネット上で公開されている米軍の資料や記録、地方自治体の歴史資料および報告書など、複数の資料を調査した結果に基づいています。例えば、よく引用される報告書「 The Impact of Invasion and Occupation on the Civilians of Okinawa  [沖縄の民間人に対する侵攻と占領の影響]」(1946年)のヘンリー・スタンリー・ベネット司令官の報告では、次のように記載されています:...